ハンディをお持ちのお子様の親御さんへ

【出会い】

その子と初めて会ったのは6年前のことになります。

当時、小学校一年生のA子ちゃんは脳性麻痺のため自分では歩くことが出来なくてお母様の押す車椅子に乗って私が施術を指導しているフィットネスのお店に来店されました。

 

お母様からは「身体が右に傾いていて車椅子にまっすぐ座れない。なんとかならないでしょうか。」という相談を頂きました。さっそくA子ちゃんをベットにうつ伏せになってもらうと。

 

・骨盤が左右で非対称

・左右で足や腕の緊張の差がある。

・とにかく右半身のあらゆる場所が縮んでいる。

 

という状態でした。

お母様からはプールで全身運動はしているという事でしたが、それだけでは解決しないので整体をはじめとした色々な施術や治療を沢山試されているようです。

視診を終え「子供の可能性は無限」と考えた私はその子だけのメニューを考える事にしました。

何分、私も前例がない症例ですので色々勉強をし直したことを覚えています。

 

【施術】

初めの頃は慣れないのでA子ちゃんの動きを整えるのが大変でした。当初考えていたメニューも都度見直しながら月に2回の施術を続けました。

お母様にも強力してもらい動きを抑えてもらったり、抱きかかえて施術をしたり、ある時は途中で発作が起きたりと大変でしたが回数を重ねるたび変化がみられてくるようになり3ケ月もすると車椅子に乗っていてもまっすぐに座れるようになりパッと見には普通の子のように見えるような改善が明らかでした。

その頃にはA子ちゃんも背中をほぐしていると気持ちよさそうな表情が見られ、動き回ることなく施術を受けてくれるようになっていたのです。

 

【子供の可能性】

嬉しかったのはお母様が自宅での様子を話してくれる時です。「装具をつけて30分立っていられるようになった。」からはじまり「1時間立てたの。」「ここで診てもらえなかったら一生車椅子の生活だった。」とお話を頂きいっしょに喜んだのを覚えています。

養護学校でも同級生の親御さんから「どうしてA子ちゃんは真直ぐでいられるの?」と聞かれるようになり「諦めないでよかった。」と話されていました。

あれから6年がたち、来春中学生になるA子ちゃんは今でもお店に通って施術を受けています。

症状が安定したので私ではなくスタッフが施術に携わっていますが、メニューについては今でも私自身でチェックを続けています。

本当に子供の可能性ってすごいな・・・障害を持っているお子さんのお母さん、諦めないで下さいね!

・・・6年間の施術の苦労話ですか?又、少しづつお話していきます。